さようなら。
またね。
お父さんお母さん、おれっちは月に帰らなくてはなりません…。
なんて言いたくなるような、月の綺麗な夜だったよ。
犬は死んだら月に行くのに、最高の夜だった。
犬は羽衣なんて無くても、軽々と、駆けていけるね。
おれっちの走る姿には、きっと天人も拍手喝采。
だんだん歳をとって、ずっと体が重くて、脚も思うように動かなくなって、
毎日のお散歩も少ししか出られなくなって。
いつも思い出してたよ。
山に登ったり、川に行ったり、ドッグランで走った事。
風の音、緑の匂い、陽射しの中にも木陰にもたくさん思い出。
みんなは元気かな。
楽しかったね。
おれっちは、何よりも走ることが好きだった。
また、これで走ることが出来るようになったんだね。
息も切れたりしないで、どこまでも走っていくよ。
夜、空を見たらおれっちの走る姿を思い出してね。
それから、来年のお月見には、おだんごと一緒におれっちののおやつもお願いね!
Now I see you in a better place.
So remember me when I’m gone.