虎が振り返らずに行ってしまったことが悲しくて堪らなかった、パイの気持ちがわかる。
私の虎もまた、消えてしまったから。
アンリー監督のブロークバックマウンテンも、このライフオブパイも、虚を突かれる場面があって、そして何もかもを一瞬で理解出来る瞬間がある。
映画を見る体験として、それは本当に気持ちが良く快楽的ですらある。
そうだったのかという深い共感に引き摺り込まれてしまう。
虎は、アラビアのロレンスで、ロレンスが「私は楽しんだ」というものと同じものだと思った。
そういえばパイも、ロレンスも神を探し求めた経験を持つ。